クローゼット番外編~愛する君への贈り物





(ミシェル……)



それから、ミシェルのことが頭から離れなくなった。
俺は、一体、どうすれば良いんだろう?
気になって、何をしてる時にも気になって…
辛い日々が続いた。



「ジョッシュ…
これをミシェルお嬢様に届けておいで。」

「え?」

「私は、お嬢様の体が心配なんだよ。
残念だけど、ふたりのことはきっと許してもらえないだろう。
でも、それはそれとして、お嬢様の体だけはなんとか治して差し上げたい。
子供の頃からずっと治療を続けて来て、ずいぶんと快方に向かって来てたのに、先日の様子じゃどうやら薬が合ってないようだ。
シュミットさんだって、今までの経過は知ってるんだし、薬を使うことくらいはわかってくれるんじゃないかね。
お前は辛いだろうけど、お嬢様のことは諦めるんだ。
どれだけ頑張っても、二人の仲を許してもらえることはないだろうからね。
ただ、大切なお嬢様の体調だけを考えることは出来ないかい?」

それは、辛い話だった。
だけど、母さんの言うことはもっともで…
多分、俺がミシェルにしてあげられるのは、彼女の回復を祈り、薬を届けること…
それだけだと思う。



「……わかったよ、母さん。」