クローゼット番外編～愛する君への贈り物

「母さん…俺…シュミットさんに頼んでみるよ。
俺は、ミシェルのために精一杯働いて、少しでも楽な生活が出来るように頑張るよ。」

「あぁ、あんたなら本当に頑張るだろうね。
それに、あんたには薬屋としての才能がある。
人一倍働けば、それなりの暮らしは出来るようになるだろう。
だけど、シュミットさんがそんなことで許してくれるだろうか？」

その時、激しく扉を叩く音がした。
訪問者には察しが付いた。
そして、その予想は外れなかった。



「ミシェル！やはりここに来たのか！」

部屋に入って来たのは、真っ赤な顔をしたシュミットさんだった。
シュミットさんの目は血走っていた。
相当に怒っていることは、一目でわかった。



「お帰り下さい、お父様。
私は、家には帰りません。
私のことはどうかお忘れに、あ…！」

ミシェルは、使用人達に抱えられ…



「や、やめて下さい！」

「シュミットさん！お、俺の話を聞いて下さい！」

俺は、シュミットさんにぶっ飛ばされて、尻餅をついた。



「二度とミシェルに近付くでない！」

シュミットさんは俺を激しい視線で睨みつけ、吐き捨てるようにそう言うと、ミシェルを連れて部屋を出て行った。