クローゼット番外編~愛する君への贈り物

ミシェルはどこにもいなかった。
それも当然のことだ。
町にいるのなら、俺の家に来ないはずがない。



落ち着いて考えてみると、ミシェルがいなくなったのは、何も俺のことが原因だとも限らない。
もしそうだったら、もうここに来ているはずだ。



次の日も…またその次の日も…
ミシェルが現れることはなかった。
やはり、シュミットさんの思い込みだったんだ。
俺のことが原因ではなかった。
そう思うと、ほんの少し心が軽くなったような気がした。



ところが、それからまた何日かが過ぎたある晩…
扉を叩く音が聞こえた。



「ミシェル!!」



そこに立っていたのは、酷くやつれた顔をしたミシェルだった。
ミシェルは、俺の顔を見てほっとしたのか、その体から力が抜け、倒れそうになったところを俺はとっさに受け止めた。



「ミシェルお嬢様!
ジョッシュ、お嬢様を中へ!」

俺は、ミシェルを抱き上げ、部屋の中へ運び入れた。