クローゼット番外編~愛する君への贈り物





「ジョッシュ…近々、両親に話すわ。
ジョッシュを愛していること…そして、ジョッシュと結婚したいって。」

ある日、唐突にミシェルがそう言った。



「ミシェル…だめだよ。
そんなこと、許してもらえるはずがない。
それどころか、そんなことをしたら、会えなくなるかもしれない。
……俺はそれが怖いんだ。」

「そんなことないわ。
私達、もう18よ。
あなただって、薬屋として独り立ち出来るだけの知識もある。
あなたの評判はお父様も聞いてるはずだし、二年前とは違うわ。
今度こそ、絶対に大丈夫よ!」

ミシェルは自信ありげにそう言ったけど、俺にはそうは思えなかった。
だから、反対した。
俺は、今のままで良いんだ。
大それたことは望まない。
望んだって、叶うはずがないんだから。
薬を買いに来る時にミシェルに会えるだけで良いんだ。
俺はそれだけで幸せなんだから。



だけど、ミシェルは俺の意見を聞き入れてくれなかった。



「ジョッシュ…私を信じて。
私…今度は絶対にうまくやるわ。
心を込めて話せば、両親だってわかってくれるはずよ。
私、頑張るから。
ね、私を信じて…!」

真っすぐな目でそんな風に言われたら、俺に反論なんて出来るはずがない。
いくら頑張ったところで、無理に決まってる。
心の中ではそう思っていたし、そのことで今の状況が悪化するんじゃないかという予感もあった。
だけど…俺は、ミシェルを説得することも出来ず…
嫌な予感から目を背けることしか出来なかった。