「先生、」
『ん?』
「私ね、先生の事…」
『俺はガキには興味無い。』
っ、やっぱり気づかれてた。
先生は私の方なんて見向きもしないで前だけを見ている。
運転しているから当たり前なんだけど。
ちょっとはこっち見て。
少しでいいから動揺してよ。
「気付いてたんですかっ」
『なんの事か知らんが、俺は彼女いるし年上が好みだから。それに、お前のその気持ちは憧れだから。勘違いすんな。』
っ矛盾してるんだよ、先生。
わかってるじゃないですか。
「いつからですか、気付いたのは。」
『さぁ。』
やばい、何か泣きそう。
『ほら、着いたぞ。じゃあ、俺は学校戻るから。』
だめ、先生。
お父さんもお母さんも仕事でいないの。
1人なの…。
なんて、言えるわけない。
「はい、送ってくれてありがとうございました。」
『ん、じゃあな。』
車から降りて、私は家に入った。


