「何で古村さんに言う必要があるんですか？」
「そういう気分だったのよ〜。」
尚更、意味がわからない。
でも、野崎先生は私が先生の事を好きって絶対気付いてる。
「…古村さん？」
野崎先生が俯いた私の顔を覗き込もうとした。
咄嗟に私は顔を上げて、
「…っそれがどうしたんですか？先生と野崎先生が付き合ってるなんてプライベートな話してもいいんですか？」
私はフツフツと怒りが込み上げてきた。
これを先生に見られたら失望されるかもしれないと思ったので、
「…ごめん、神木くん。私今日はもう帰るね。野崎先生もさようなら。」
「あ、待って。ちょっとこっち来て。」
そう言って、神木くんは私の腕を掴んで教室を出た。
というか、連れ出してくれた。
まさか、このやり取りを先生に見られていたなんて──────。
