◆
『ん、乗って。』
「えっと、後ろですか?」
『…前でもいいけど。』
やった。
車のドアを開けると、先生の匂いが充満していた。
「……先生、」
『ん?』
「あの、彼女いるんですか?」
って、ばか。
何で今そんな事聞くの。
『あー、いる。』
あぁ、これは、
「…どんな人ですか?」
『内緒。』
多分嘘だ。
きっと、私を遠ざける為なんだ。
「あ、じゃあ私助手席座っちゃダメじゃないですか。後ろ乗ります。」
『別に大丈夫だから、大人しくしとけ。』
そう言って、先生は私の家へと向かった。
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