ガラガラガラッ
『そろそろ座れよー。』
げ、
よりによって朝から国語…。
先生に会いたくない上に、隣には野崎先生がいる。
ほんとに美人だ。
クラスの皆も野崎先生を見て口がポカーンと開いている。
何であんなに綺麗なのにモデルになろうと思わなかったんだろう。
キーンコーンカーンコーン
『はい、号令。』
「起立、礼。着席。」
いつもはだるそうに号令かけるのに、何で今日は真面目にしてるのよ。
『じゃあ、授業を始める前に皆がソワソワしてるので野崎先生、自己紹介お願いします。』
「はい。」
と、サラサラな髪の毛を靡かせ(なびかせ)ながらまるでレッドカーペットの上を歩くかの様に教壇に立った。
とても堂々としている。
これが、美しいという事なんだろうな。
「皆さん、おはようございます。野崎めぐです。私は今日から体育祭までの2週間、臨時で先生をします。短い間ですがよろしくお願いします。」
パチパチパチ
男子は拍手喝采。
女子は微妙な顔をしている人が多い。
ちなみに私もその1人。
『野崎先生は、この高校で研修した後に違う高校で先生になるんだ。それまで皆仲良くするんだぞ。』
「「「はーい!!」」」
と、男子がうるさい声で返事した。
『お前らうるせーな。あ、あと国語の授業につくことになるが、野崎先生は授業しないからな。』


