─────────それから、1年。
もう高校三年生。
とうとう受験生になった。
もう夏休み前だと言うのにまだ進路が決まっていない。
というか、先生の事考えすぎて進路なんて考えてる余裕がなかった。
それに先生といられるのもあと1年もない。
『……おい。』
「あ、先生。」
いけない。
先生の事考えててぼーっとしてた。
『さっきから呼んでたんだけど。』
「すみません。ぼーっとしてて。」
『いや、別にいいんだけど。ご両親に連絡したけど連絡つかなかったから俺が送っていく。』
え…!
「いいんですか?」
「本当は生徒を家まで送ったりしたらいけないんだけど、熱もあるし仕方なくだから。」
嬉しいなぁ。
「あ、でも授業は大丈夫なんですか?」
先生は2年生に引き続き国語を教えている。
ちなみに私たちのクラス、3年2組の副担任。
『余計な心配はすんな。大丈夫だから。じゃ、行くぞ。』
「はいっ」
やばい、熱上がるかも…。


