「先生、もしかして照れてる?」
『…あのなぁ、こういうのは同世代のやつにやれよな。一応俺、28のおっさんだからな。』
「全然私はありです。年上が好きなんで。」
『はいはい。』
「あー、適当に返さないで下さいよ〜。」
もー。
いつも子供扱いして。
絶対に先生と釣り合うぐらい大人な女になってやるんだから。
『一応聞くけど、これ義理と本命どっち?』
ん…?
「義理?本命?…えっと、どういう意味ですか?」
『は、まじ?知らないの?』
「知らないです。バレンタインって感謝の気持ちを伝えるイベントじゃないんですか?」
『いや、それもあるだろうけど、大体は好きな人に気持ちを伝えるんだよ、チョコを渡してね。これが本命チョコ。もしくは、仲良い人に男女関係なく渡す────これは義理チョコな。』
「へー、知らなかったなぁ。」
『変わったヤツだな。古村は。』
「えへへっ」
あー、楽しいなぁ。
先生といると安心するし、素の私を見せられる。
このまま、時間が止まっていつまでも先生と一緒に居られたらな。


