「僕ね、ずっと気になってたんだよね、蘭ちゃんの事。」




「え、何で?」





「普通に美人で可愛いじゃん。でも、あんまり人と喋らないからどんな子なのか気になってた。」






「私、友達って苦手で何回かトラブルになった事があったの。だから高校に入ったら友達とか恋人なんて作らなくていいやって思ってたの。」






涼の顔がちょっと歪んだ気がした。






「ごめん、またデリカシーのない事言った。」






「全然大丈夫だから。私、好きな人出来てから学校が楽しくて仕方ない。だから、日頃の感謝の気持ちを込めて今日はチョコ作ってきたんだよね。」





「そっか。で、好きな人って誰なの?」





「言わなーい。」





なんだか、涼と話してるとすごく楽しい。





「涼、あのね私…」







と、私が言いかけた時、







『おい。』






え…うそ……







『何してんのこんな所で。』