「…………」
「…………」

居心地の悪い沈黙が牧野と桜を取り巻いていた。

関谷さん、と声をかけてきたものの、その後が続かない彼に、写真を差し出してみる。

はっとした顔でそれを見つめる牧野。写真は、桃と桜が並んで写っているものだ。

「……俺が体育の時間にボール当てちゃったのは」

「桃」

「次の日学校に来たのは」

「私」

「スマホでメッセージ送り返してくれたのは」

「桃」

「……そっか」

牧野は一度頷いた。それから桜の顔を見つめる。