へえ、と素直に感心している様子の宮沢に、なんだか言い訳をしたくなる。

「いや、たまたま。偶然」

「適当でも当たるもんなんだなあ」

「ていうか離れようよ。バレたら困る。私が」

「バレないバレない。今の関谷がフィールドから目を離すわけない」

「…………」

確かに。

桃が一つのことに集中すると周りが見えなくなるタイプだと、十五年間を共にした桜はもちろん知っている。

「ここで関谷とサッカーを観戦しようぜ。しゃーねーから芍薬を応援してやるよ」

「それはどうも……?」

なんか違う、と心のどこかが主張するも、思考が停止気味になってきた脳は働いてはくれなかった。