「なにを……!?」

「人混みは危ないからなあ」

言いながら、桜の手を握り、器用に人とぶつからないように歩いていく。

「ちょっ……放して!」

「あ」

いきなり立ち止まったので、桜は宮沢の背中に追突する羽目になる。

「……、なんなの、もう……」

「すごいな、あんた。見ろよ」

怪訝に思いながら、宮沢が左手で指さすところに目をやった。

「……あ」

見間違うことはない、今朝別れたばかりの双子の片割れが、熱心にフィールドを見つめていた。

思えばここは、ちょうど桜が適当に指さした場所である……。