妹の行動力、対人スキルを甘くみていたわけではないが、ここまでとは……。

そして、驚愕とともに不安が押し寄せてくる。

桜はそれを言わないわけにはいかなかった。

「……桃、それは、ものすごく素晴らしいことだね」

「だよね!? どうしよう桜ちゃん、このままもっと仲良くなっちゃったりしたらー!」

「うん、本当、どうしようね」

「もしかしてもしかすると、お付き合いとか、できちゃったりするかもっ……!」

「桃、桃」

ぴょんこぴょんこ跳ねる桃は、ようやく桜が浮かない顔をしていることに気がついた。

「……なあに?」

訝しげに首を傾げながら、両手を胸の前で握りしめている。

桜の様子に一抹の不安を感じ取ったらしい。