「……迷惑ですか? やっぱり……」

「いえっ、そんな、とんでもない! 行きたいです、ぜひ! 応援します!」

「ほ……ほんとですか」

「はい!」

小刻みに首を縦に振ると、彼がほっとしたように笑った。

胸が一際高く鳴る。

「じゃあ、また連絡します。……ありがとうございます」

「いいえ、すごく、楽しみです」

「……がんばります」

礼をして、彼は保健室を出ていった。

残された桃はぽわあとして空中を眺める。

体の痛みはすっかり忘れている。

すごく、すごく、幸せな日だ……。