「……っ!?」

驚いて、反射的に布団を顔まで引っ張りあげる。

大きく見開いた目だけで彼を見ると、どことなく傷ついたような表情をしていた。

「……すみませんでした……」

「えっ。いえっ。あのっ」

牧野はものすごくわかりやすく項垂れた。落ち込んでいる。

桃にはわけがわからない。

牧野と保健医を交互に見る。

「ちゃんと謝んなさい」

冷たい声で言い捨てて、保健医は姿を消した。

残されて桃は途方に暮れる。

牧野が椅子を引きずってきて、ベッドの傍に腰かけた。