よろしくお願いします、と挨拶をして、女子たちは各々のポジションに散らばっていく。

半分夢見心地の桃も小走りしていると、どこからか鋭い、焦った声が飛んできた。

「──関谷さん!」

「え?」

声のした方に振り返りかけて、桃は頭に衝撃を受けた。

体が横に弾き飛ばされ、左肩が強打される。

「関谷さん!」

悲鳴のような女子の声を最後に、桃の意識は途切れた。