「ふたりとも、おはよう!よく眠れて、すっきりしたよ!昨日は心配かけてごめんね!」


「よかったあ~!」


司は安心したように笑って、わたしのもとへかけより軽く抱き締めてきた。


司からぎゅってしてくるなんて、久しぶりだ!

中学生になってからは、一度もなかったからもう卒業したと思ったのに。


うれしくなってわたしも左手でぎゅっと抱きしめ返した。



「……………………。

司くん、朝練、オクレルヨ?」


後ろの佐伯くんが、にっこりとした笑みを浮かべてそう一言。


あれ………なんか、佐伯くんのまわりに黒いオーラが見えるのはわたしの気のせい………?


「そーだよ司、朝練行かなきゃ!一年でレギュラーになれるかもしれないんでしょっ?」


「行ってらっしゃい、司くん」


「…………。……うん、行ってくるね!しずく姉!」


って佐伯くんは無視かい。


「司くん、リビングにお弁当あるからね」


「ふんっ、冷蔵庫にあるおかず詰めただけのくせに!!」


「っあ、こら司!」


「俺はまだあんたのこと認めたわけじゃないからなー!!」


最後にそう言い捨て、司は朝練へと向かっていった。