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晴天の翌日。
朝から通盛ら門脇家は勿論のこと、他の清盛の兄弟息子らの家族も、平家棟梁である重盛(しげもり)の一家が住まう小松家に集まっていた。
このように一門が顔を揃えて集会をするのは珍しいことである。
今日の主な議題は重盛についてであった。
集会は重盛の家で開かれていたが、彼はこの場にいない。
実は重盛は今年に入ってから急激に体調を崩しており、二ヶ月前に内大臣を辞している。
重盛の人柄は温厚で誠実であり、平家だけでなく、朝廷や民からの信頼も厚い。
平家との関係が悪化している後白河法皇からも、平家の良心として信頼を寄せられている。
「……兄上の容体は厳しい。どうにかならぬものか」
ふくよかな顔をしかめて言うのは宗盛だ。彼は清盛の次男であり、重盛とは腹違いの兄弟にあたる。
父教盛の後ろで話を聞いていた通盛は、そっと目を瞑った。
人の命は儚いものだ。
何故重盛のような徳のある善き者が病魔に苛まれなければならないのか。

