ただ、羽季には本当に悪いけど警察がいない時って私が出ていった方が丸く収まるんだよね。犯人のほとんどは自分の部屋の展示物として飾っておきたいだけだから殺そうとする人がまず少ない。いるにはいるんだけど、何の言い伝えなのか血を取って飲めば不老不死になると信じていたり遺体を剥製にしたがったりと少し変わった考えを持っている人たちだからあまり出会わないと言った方が良いか。

「絶対嘘だ。またやるだろ？」

「・・・そう言ったら怒るでしょ？」

「・・・分かった。じゃあその時は俺が唯織の前に立つから」

約束が出来ないのなら俺が殺されるのを見逃せ。要するに、羽季を殺されるのが嫌なら二度とするなという事らしい。羽季の覚悟が本当なら、もう二度と出ていけない。