裸足で走ったせいで足の裏がじんじんしながら熱くなっていた。でも、彼はまだやる気だった。この人、勝てるまでやるつもりなんじゃと思いながら構えると監督の勝負を終わらせる声が聞こえた。
「驚いたよ。君、普通科の子だったよね?名前は?」
「・・・来栖・・・唯織です・・・」
その後の監督の話はよく覚えていない。スポーツ科に来てバスケをしないかとか、マネージャーにならないかとか訊かれていた気がするけれど私がバスケをしているのは、バスケしか脳が無い兄の練習相手になるため。兄への恩返しのためだから部に入ってまで上達したいとは思わない。
私の見た目のせいで兄も嫌がらせを受けた事がある。でも、私に出来る恩返しなんて一緒に体を動かすくらいだ。兄もきっと、それ以上の事は求めていないはず。
「驚いたよ。君、普通科の子だったよね?名前は?」
「・・・来栖・・・唯織です・・・」
その後の監督の話はよく覚えていない。スポーツ科に来てバスケをしないかとか、マネージャーにならないかとか訊かれていた気がするけれど私がバスケをしているのは、バスケしか脳が無い兄の練習相手になるため。兄への恩返しのためだから部に入ってまで上達したいとは思わない。
私の見た目のせいで兄も嫌がらせを受けた事がある。でも、私に出来る恩返しなんて一緒に体を動かすくらいだ。兄もきっと、それ以上の事は求めていないはず。



