その時、如月刑事はふとあることを思い出す。それは事故があった直後、事情聴取をした大野三郎の第一発見者の言葉だった。

「藍、少し思い出したことがあるんだが……」

如月刑事の言葉を聞いた後、藍は「……そんなことが……」と呟いていた。

藍の言葉からは、悲しみが伝わってくる。藍の優しさに如月刑事は微笑みながら電話を切った。

「如月さん?」

何があったんですか、と言いたげな表情で原刑事が見つめる。如月刑事は咳払いを一つし、捜査員たちに言った。

「××通りの近くにあるアクセサリーショップを調べろ!!その店の防犯カメラを徹底的に洗え!!」

「はい!!」

捜査員たちは敬礼をし、捜査へと向かっていく。如月刑事と原刑事も走り出した。