「つきとめる!プリンセスたんていみたい!」

藍はよく見ているアニメのキメポーズをした。そして、男子に言う。

「あい、大きくなったらかんさついになる!お兄ちゃんといっしょにはたらく!」

「お嫁さんになるんじゃなかったのか?」

「お兄ちゃんのお嫁さんになるの!」

藍の言葉に男子は苦笑する。そして、「うん。一緒に働こう」と言った。

小さな指と、大きな指が絡み合う。二人は密かに約束をした。一緒に監察医として働くということをーーー。



「……ん」

藍が目を覚ますと、「霧島さん、大丈夫ですか?」と大河が心配げな表情で藍の顔を覗き込む。

「ここは?」

「医務室です。霧島さん、大丈夫ですか?急に倒れたので心配で……」

「そう……。ごめんなさい、迷惑をかけて」

そう言い起き上がろうとする藍を、大河は「まだ休んでてください」と肩を押さえて優しく倒す。男性の力には敵わず、藍は大人しく布団の上に横になった。