通信制の恋

リビングに案内してしばらくするとお母さんが温かいほうじ茶を淹れて持ってきてくれた。


「それで。直くんが家に上がるってことは何か報告でもあるの?」


「うっ…、鋭い…。」


「もう何年あなたの母親をやってきてると思ってるの?分かるわよ、2人の雰囲気でね。」



「改めて申し上げます。あなたの娘さんの結さんと婚約したいと思っています。高校を卒業後には結婚したいとも考えています。どうか、むすめさんを俺にください。」


「直…」


直は真っ直ぐにお母さんを見つめ、お母さんも直を見つめ返した。


しばらく静寂が包み込んだリビングに突如"ふふっ"という笑い声でそれが部屋の空気を変えた。


「お、お母さん?」


「ごめんなさいね、余りにもお父さんに似ていたから。」


「お父さんと?」


「そう。お父さんもね、私のお父さん、結でいうおじいちゃんにね、"娘さんをください"って言いに行ったのよ。」


「お父さんと直、一緒じゃん…」


私もお母さんに釣られて"ふふっ"と笑い始めた。



「あ、勿論、答えはオーケーよ。こんな娘で良かったら、貰ってやって。」


「一言余計だよ、お母さん。」






お母さんから無事に許可も頂き、私は玄関まで直を見送りに行った。


「直、今日はごめんね?」


「いや、俺も悪かった。結、おいで。」


「ん…」


私は手招きされるがままに直の腕の中に飛び込んだ。


「結、メリークリスマス。」


そう言って口付けた直はしばらく私を離そうとはしなかった。