カゴの中の鳥

私をここに連れてきた男が
部屋に入ってきた。


『本当に、声が出なくなったんだな…
俺は、葉山。
頭に頼まれて、お前の
身の回りの世話をするバイト
連れてきたんだ』


身の回りの世話…?


『あ、初めまして
俺、……』

自己紹介なんて
聞かない…

『あ、あれ、聞いてない…』

『バイトの条件、覚えてるな?』

『あ、はい。』

『口外はしない、
高い給料払うんだ。
しっかり守れよ。』

『はい、それは必ず…』

『何があっても
彼女には、手を出すな。
もし…』

『もし…?』

『そんな事があれば、
お前の命の保証は出来ない』

『……はい、必ず守ります』