冷徹御曹司のお気に召すまま~旦那様は本当はいつだって若奥様を甘やかしたい~

生来のお嬢様気質のせいでわがままも多く、賢一から多額の小遣いをもらいながらの贅沢三昧。

如月家の親族から煙たがられている存在でもある。

とくに二年前それまで付き合っていた恋人と別れて以来、離れにこもることが多く、なにをしているのかわからない。

恋人と別れるきっかけを作った妹の彩実に対しては二年経った今でも怒りを隠そうとせず、たまに母屋で顔を合わせても無視を続けている。

彩実は晴香と仲直りしたいのだが、そのためには晴香には知られたくない過去の事実を伝えなければならず、彩実はその秘密をひとりで抱え、悩み続けている。

そして、一見義父から不遇を強いられ悲しい人生を送っているように見える直也だが、今では幸せな生活を送っている。

佑香が亡くなってすぐ、賢一の指示によって佑香のいとこである麻実子と再婚して以来、幸せで穏やかな毎日を過ごしているのだ。

直也と麻実子の間に生まれたのが彩実だ。

賢一の弟の娘である麻実子は、母方の祖母がフランス人であることから如月家でも異端扱いされながら育ってきた。

ライトブラウンの髪と瞳。そして、小顔ですらりとした体形は日本人以外の血が流れているとひと目でわかる。

けれど、日本で育った麻実子は考え方も意識も典型的な日本人で、如月家の中で居場所を見つけられない直也を愛し、支えている。

まるでフランス人形のように美しい麻実子の娘である彩実も、その美しさはかなりのものだ。

身長は百五十八センチと標準的な高さだが、麻実子以上に華奢で手足が長く、腰の位置が高い極上のスタイル。

目鼻立ちがはっきりとした顔は、誰もが目を止める美しさだ。

麻実子ほどフランスの血がルックスに反映されていないが、これまでにも何度かマスコミに取りあげられたこともある美女である。