「奪ったんじゃないならなんなんだ? 男が勝手に晴香さんを捨てて、魅力的な自分を選んだだけだと言いたいのか? それほどの自信があるくらい、男に人気があるんだな。だったら今までどれだけの男と付き合ってきたんだ。よっぽど楽しい思いをしてきたんだろうが……もしかしたら、その小関家具の御曹司ともこれまでに、なにか特別な関係でもあったのか? いや、君に興味もないから言わなくていい」
「副社長、言いすぎです」
彩実をとことん貶める諒太の言葉に、飯島は冷静な口調で声をかけた。
今まで忍のファンだと言ってはしゃいでいたのが嘘のように冷ややかで、彩実はそのギャップに目を丸くし彼女を見つめた。
諒太からの散々な言われように傷ついた彩実に同情し、上司、それも副社長に意見するのは、勇気のいることだろう。
彩実はこの部屋で唯一の自分の味方に違いない飯島に、心の中で感謝した。
こうなったら絶対に、小関家具の工場や直営店舗に案内しようと決意する。
「飯島さん、かばってくれてありがとう。でも、いいから無理はしないで——」
「言いすぎです。小関家具が大したことのない会社だなんて本当に言いすぎだし、なにもわかってません」
「……え、そこ?」
彩実を押しのけ諒太との間に立った飯島の言葉に、彩実は目を丸くする。
諒太に言い過ぎだとたしなめたのは、彩実への暴言ではなく小関家具を見下した言葉に対してだった。
「副社長はその記事をしっかりと読みましたか? もちろん記事の大部分は白石ホテル後継者の婚約についてでしたけど、小関忍さんについてはかなり好意的な内容でした」
彩実は飯島の指摘にこくこくとうなずいた。
たしかにそうだった。
忍のこれまでの実績や家具職人としてあらゆる方面から期待されていること、そして彼が生み出す作品の素晴らしさが記事の中に溢れていた。
「副社長、言いすぎです」
彩実をとことん貶める諒太の言葉に、飯島は冷静な口調で声をかけた。
今まで忍のファンだと言ってはしゃいでいたのが嘘のように冷ややかで、彩実はそのギャップに目を丸くし彼女を見つめた。
諒太からの散々な言われように傷ついた彩実に同情し、上司、それも副社長に意見するのは、勇気のいることだろう。
彩実はこの部屋で唯一の自分の味方に違いない飯島に、心の中で感謝した。
こうなったら絶対に、小関家具の工場や直営店舗に案内しようと決意する。
「飯島さん、かばってくれてありがとう。でも、いいから無理はしないで——」
「言いすぎです。小関家具が大したことのない会社だなんて本当に言いすぎだし、なにもわかってません」
「……え、そこ?」
彩実を押しのけ諒太との間に立った飯島の言葉に、彩実は目を丸くする。
諒太に言い過ぎだとたしなめたのは、彩実への暴言ではなく小関家具を見下した言葉に対してだった。
「副社長はその記事をしっかりと読みましたか? もちろん記事の大部分は白石ホテル後継者の婚約についてでしたけど、小関忍さんについてはかなり好意的な内容でした」
彩実は飯島の指摘にこくこくとうなずいた。
たしかにそうだった。
忍のこれまでの実績や家具職人としてあらゆる方面から期待されていること、そして彼が生み出す作品の素晴らしさが記事の中に溢れていた。

