冷徹御曹司のお気に召すまま~旦那様は本当はいつだって若奥様を甘やかしたい~

飯島おすすめのウェディングドレスはどれもセンスがよく、彩実も気に入るものが多かった。

どちらかといえばあっさりとしたデザインで無駄な装飾のないドレスに目がいく彩実に対して、飯島は華やかでレースやパールが印象的なドレスを選ぶ。

「絶対にお似合いです。如月さまはとことんかわいらしいお顔をしていらっしゃるし、小顔で鎖骨も綺麗ですから、是非これを着てみてください。ささ、騙されたと思って」

何着目かもわからないドレスは、フリルとレースをふんだんにあしらったプリンセスラインのドレスだ。

裾はボリュームたっぷりのロングトレーンで背中のリボンが目を引いている。

手にしたときはあまりにも華やかすぎて自分には似合わないと思ったが、いざ着てみるときゅっと締まったウェストから足元に大きく広がるスカート部分が彩実のスタイルの良さをさらに際立たせ、オフショルダーのおかげで、綺麗な鎖骨が目立っている。

髪を緩くまとめられ、ハイヒールに足を通して鏡の前に立つと、彩実は思っていたよりもこのドレスが自分に似合っているような気がした。

飯島は彩実の隣に立ち、鏡越しに興奮した声を上げる。

「お綺麗です。こちらにご用意したドレスのほとんどはまだ誰も袖を通していない新作ばかりなんですが、このドレスも二日前に届いたまっさらのドレスなんです。是非これで当ホテル自慢のチャペルのヴァージンロードを歩いてほしいです」

飛び上がらんばかりのはしゃいだ声に、試着を手伝っているブライダル係のふたりの女性が苦笑している。

けれど、ふたりとも飯島と同じ気持ちのようで、続けて「本当にお似合いです」と口にする。

そんな誉め言葉が続き、彩実も次第にその気になっていく。

「そうですね……実は私もこのドレスが一番しっくりくるというか、いい気分になります」

彩実は恥ずかし気に飯島にそう伝えた。