冷徹御曹司のお気に召すまま~旦那様は本当はいつだって若奥様を甘やかしたい~

目を輝かせてドレスに見入る彩実の体に、飯島が一着のドレスを手に取り、合わせた。

「このプリンセスラインのドレスなんですけど、とても華やかで素敵だと思いませんか?この部屋に並べたドレスはどれも私が選んだおすすめなんですが、実際に如月様を拝見して、このデザインがお似合いかと思います。あ、もちろん好きなだけ試着していただいて構いません。そうですよね、副社長」

「え、副社長?」

熱心に話している飯島の言葉にハッと我に返った彩実が振り返ると、諒太が部屋の入口にもたれていた。

相変わらず表情は硬く、まるで急かすように彩実を見ている。

「とりあえずいくつか試着していただきますので、副社長は部屋の外で待っていたくださいね。どれを着てもきっとお似合いですから、副社長も楽しみにしていてください」

からかい気味の飯島の言葉に、彩実は目を見開いた。

「待っていてって……え、諒太さんも衣装合わせに付き合うってことですか?」

思いがけない飯島の言葉に、彩実はあわてふためいた。

試着するにしても単なる服ではない、ウェディングドレスだ。

それを身に着けた姿をいちいち諒太に見られるのは恥ずかしすぎる。

衣装合わせといっても、彩実に関心がない諒太のことだから、係の人に彩実を託し、自分はさっさと仕事にでも戻るのだろうと考えていたのだ。

「あの、お忙しいでしょうから、私ひとりでも大丈夫です」

是非ともそうしてほしいと願いながら彩実はそう言ったが、諒太はそれが気に入らないのか顔をしかめた。

「飯島、外で待ってるから、着替えたら見せてくれ」

諒太のその声に、飯島の「承知しました」という元気な声が重なった。



それからというもの、彩実はまず初めにブライダルインナーを着せられ、次々に試着を繰り返した。