一生に一度の「好き」を、全部きみに。


高校の最寄り駅のカフェは、学生たちで賑わっていた。店内には香ばしいコーヒーの香りが漂い、それぞれ飲み物をオーダーして四人掛けの席に着く。

私と花菜が並んで座り、私の向かい側に咲、花菜の向かいに黒田くんが座った。

「花菜ちゃん、早速聞いていい?」

「うん、どこがわかんないの?」

早速花菜と黒田くんはふたりの世界に突入した。

「咲の苦手な教科は?」

目の前で優雅にコーヒーを飲む咲に問いかける。

「別にない」

「え?」

ない?

「咲って何気にできるヤツなんだよ。中学んときも学年トップだったし。でも教え方が超ヘタなのっ!」

泣きまねをしながら切実な目で黒田くんが訴えた。

「が、学年トップ!?」

咲が?

信じられない。そんな素振りひとつもなかったじゃん。

「へぇ、鳳くんって頭がいいんだね」

「別に、普通」

しれっと答えて再びコーヒーに口をつける咲。

「神楽さんも意外と頭いいよな。あ、お嬢様だから?」

「なに言ってんのー。関係ないよ、お嬢様とか」

「あはは、そう?」