一生に一度の「好き」を、全部きみに。


黒田くんの人懐っこい笑顔に負けてしまい、早速今日の放課後に勉強に付き合うことになった。

ま、いいかな。

花菜と黒田くんとは駅まで一緒なので三人そろって教室を出ようとすると、後ろから突然強く腕を引かれた。

「ひゃっ!」

いきなりのことに驚いてマヌケな声が出た。振り返ると咲がなんとなくトゲのある視線を私に向けている。

「どっかいくの?」

「え?」

「や、だって翔と一緒だし。あいつ、めちゃくちゃ浮かれてるから」

「あ、うん。勉強教えてって言うから、これからカフェにいくんだ」

「ふたりで?」

「へっ?」

「葵と翔のふたりでいくのかって聞いてるんだよ」

「ううん、花菜と三人でだよ」

どことなく冷たい視線に心臓が縮こまりそうになる。もしかして機嫌が悪いのかな。でも、どうして?

「俺もいく」

「咲も?」

「なに? 不満?」

「ううん」

そんなに一緒に勉強したかったのかな……?

もしかして、テストがピンチとか?

切羽詰まってる感じだもんね。