咲はムッと唇を尖らせながら私の後頭部を軽く小突いた。
「いいだろ、好きなんだから」
触れられたところが熱くてやけにじんじんする。
いやいや、好きって。唐揚げがって意味だから。なに意識しちゃってるの、私。顔だって熱い。なにこれ、咲の顔が見れないよ。
尋常じゃないくらいのこのトキメキはなに?
いや、待て。ちがう、絶対に。ときめいてなんかいない。勘違い、そう勘違いだよ。
「わ、私、先に教室に戻ってるから!」
どうにも落ち着かなくなって、急いで食べ終えると咲を置いて教室に戻った。
「あ、神楽さん発見!」
「黒田くん……」
「どうしたの? 顔赤いけど」
「えっ!?」
「あ、もしかして咲といた? 昼休みにふたりで消えるし、一緒にいるんだろ?」
黒田くんにまでからかわれて、心臓が破裂しそうなほどうるさくなった。
咲って聞くだけで、心臓が反応しちゃう。キュッと締めつけられて苦しくなるのは、どうしてかな。
「ま、いいや。それよりさ、神楽さんにお願いがあるんだ」
「なに?」
「もうすぐ期末テストじゃん? 花菜ちゃんに勉強教えてってお願いしたら、ふたりきりは嫌だって言うんだよね」
「私にも参加してほしいってこと?」
「そ!」



