屋上ですごす昼休みが、一日のうちでもっとも待ち遠しい時間になったのはいつからだろう。
「今日もそれだけかよ」
小さなおにぎりがひとつと、茹でた野菜サラダのみの私のお弁当を見て咲が眉をひそめた。
「そんなんだから肉がつかねーんだよ」
「いいでしょ、私の好物なんだから」
対する咲は大きなお弁当箱にお米がぎっしりで、おかずもバラエティに富んでいる。ガッツリしたものばかりで、肉系が多い男子弁当だ。
「唐揚げやるから、食って体力つけろ」
「え、いいの?」
「ほら」
「わーい」
咲はなぜか唐揚げをつまんだお箸を私の口元へ持ってきた。
え?
なに?
食べろってこと?
てっきりどこかへ置いてくれるんだと思ってたけど、ちがうの?
「早くしろ」
ウソでしょ、待って。
無理だよ、無理無理。
なに考えてんの?
「ちょっ、んぐっ……!」
戸惑っていると唇に唐揚げが押しつけられた。
ちょ、ちょっとー!
口を開けてモグモグ咀嚼する。
「もう! 強引なんだから。うわ、でも美味しい!」
思わず笑みがこぼれた。お肉が柔らかくジューシーで、衣もサクサクでとても美味しい。
「だろ? 俺の大好物」
「あはは、子どもみたいだね」



