「同じクラスのよしみで、仲良くしてね! あ、花菜ちゃーん!」
背後に花菜を見つけたらしい黒田くんが、再び大きく手を振った。なんていうか、忙しい人だな。
「どこいってたの?」
バチッとウインクを決めた黒田くんを一瞥してから、花菜は私の目を見て微笑んだ。
「いこ、葵。黒田といたらバカがうつるよ」
「え、ちょ、花菜」
強引に腕を引かれて教室へと引っ張りこまれた。
「あたし、ああいうチャラい人が一番嫌いなんだよね」
よっぽど嫌なのか、眉間に思いっきりシワが寄っている。
「信用できないっていうか、見ててイライラする」
「黒田くんとなにかあったの?」
普段人のことを言わない花菜がここまで言うってことは、よっぽどのことがあったのかな。
「中学のときに塾が一緒だったの。で、告白された」
「えっ!?」
こ、告白……?
予想外の単語が飛び出してきたことに、目を白黒させる。
まさか、ふたりの間にそんなことがあったなんて。
「なんて答えたの?」
「答えてない」
「え?」
「逃げたの」
逃げた……。



