一生に一度の「好き」を、全部きみに。


学校でも私たちは一緒にいるようになった。クラスメイトは私たちの組み合わせに驚いていたけど、三日もすれば興味も薄まったみたい。

仲良くなると花菜はお喋り好きで、表情がコロコロ変わるから見ていて面白かった。

「ぼっち卒業したんだな」

「まぁね」

「よかったな、お嬢様」

「やめて、お嬢様とか言うの」

ムッと唇を尖らせると、咲はわずかに口元をゆるめて笑った。私が嫌がるのを知ってて、わざとそんな風に言うんだからイジワルすぎる。

屋上には今日も優しい風が吹いて、心のさざ波を穏やかにしてくれる。

花菜といる時間も好きだけど、こうして大の字になりながらぼんやりするのも好きだなぁ。

「こっち向けよ、おい」

「ふーんだ」

「葵」

咲に肩をつかまれ、振り返らされた。しかし勢いが強すぎて、咲の胸におでこが当たる。

「わぁ……!」

「いって」

「ご、ごめんっ!」

上目遣いで見上げると、咲の目が驚いたように大きく見開かれた。