一生に一度の「好き」を、全部きみに。


毎日のように咲はお見舞いにきてくれた。会うとバカなことばかり言い合って、常に笑っている。アメリカ行きのことも相談できないまま、数日がすぎた。

コンコン

きっと咲だ。

「どうぞ」

ノックされるたびに咲だと期待して胸が高鳴る。早く会いたい。咲の顔を見ると癒やされるから。

やっぱり離れたくない。好きだよ。いつ死んでもいいなんてウソ。後悔はたくさんある。咲には笑っていてほしいけど、それは私の隣でっていう意味。

「咲!」

「よう」

「お疲れさま」

「顔色よさそうだな」

「うん! 咲がきたってわかったから」

「あー、今日はさクラスのヤツらも一緒なんだ」

「え?」

ちらっとドアの方を振り向く咲の瞳は、不安そうに揺れていた。

「どうしてもお前に会いたいって。いい?」

「もちろんだよ!」

広いとは言えない個室の中に咲含む男子が五人。クラスの男子たちとはちらほら挨拶だけを交わす仲だけど、みんな騒がしくていい人ばかり。

「神楽ちゃんが学校こないから、咲は毎日寂しそうだよなぁ」

「そうそう! 気の抜けた顔してる」

咲はあまり自分から話してくれないし、寂しいとか言わないタイプ。クラスメイトから咲の様子が聞けるのは私もうれしい。