何度も見てきた咲の不安気な表情が脳裏をかすめる。眉を下げて、今にも泣き出しそうな顔をしてた。
そんな顔をさせているのは私だということが、とてつもなくやるせなくて悔しい。
強さと勇気、そして諦めない心をくれた咲には、誰よりも笑っていてほしいと願ってしまう。
咲は私にとっての希望だから、この先どうなるかわからない私のことで悲しませたくない。
好きだけど、それ以上に幸せになってほしい。
そのためなら私は、なんだってするから。
「ん、あお、い……?」
寝ぼけ眼の咲がのっそりと起き上がったのを見て、私は慌てて涙を拭った。
「咲、おはよう」
これでもかってくらい口角を持ち上げて笑う。そうすることで咲がホッとするのを知っているからだ。
「悪い、寝てた」
「ううん、謝らないで。咲の寝顔、かわいかった」
「はぁ? かわいいはないだろ。せめてカッコいいとか言えよ」
「あはは、カッコよかった!」
「言わせた感ハンパないな」
「そんなことない、本心だよ!」
笑っていれば大丈夫。



