「スネるなよ。かわいいっつってんのに」
「……っ」
「はは、赤くなってる」
「う、るさい。かわいいとか言わないでっ!」
そんなキャラじゃないと思ってたのに、咲は恥ずかしいこともバンバン言うから困りものだ。
どんな反応をすればいいかわからなくなる。
「あ、見て! 外! 晴れてるのに、虹が出てる!」
近くにいた女子たちが騒ぎ立てる声がした。
わ、本当だ。虹だ。
「ぷっ、ガキみたいな顔して」
「笑ったな、今」
「そんなに虹が見たいなら、屋上にでもいくか」
人の話なんて聞いちゃいない。
教室へ寄らずに、咲に手を引かれながら階段まで進んだ。
「あ、咲、私階段……」
無理だ。
そう言おうとした瞬間、ふわりと身体が浮いた。
「ちょ、きゃあ」
「しっかりつかまってろよ」
「や、やだ、おろして」
「いいから。じっとしてろ」
抱きかかえられたまま階段を上がる。
直に触れてたくさん密着してる分、余計に照れくさい。



