一生に一度の「好き」を、全部きみに。


クリスマスだからなのか、カップルが多いような気がする。

腕を組んだり手を繋いだり、どの人たちも幸せそうだ。

「きゃっ」

電車がカーブを曲がった瞬間、ふらついてとっさに咲の腕をつかむ。

「大丈夫か?」

「うん、ごめんね」

「手すりしっかりつかんでろ」

さり気なく手を手すりに誘導され、名残惜しくも手すりを握る。

咲は私に指一本触れようとしない。

それって私に魅力がないせいだったりして……。

だから手を繋いでくれないの?

電車を降りてからは、水族館まで十分ほど歩いた。

ときどき触れ合う腕と腕。そのたびに期待に胸が高鳴るけど、咲は「ごめん」と言いながら距離を取るだけ。

えーい、こうなったら。私から繋いじゃえ。

かなり勇気を振り絞って、咲の手をギュッとつかんだ。

「ま、迷子になったらいけないから」

かなり恥ずかしい。でも離さない。そんな気持ちをこめて握ると、恐る恐る咲も握り返してくれた。

それだけで胸がキュンとうずく。