一生に一度の「好き」を、全部きみに。


「げ、明日海(あすみ)かよ」

「えへへ、そうだよー。中学卒業以来じゃない? なにしてんの? こんなところで」

「人と待ち合わせ」

「え、なになに? もしかして、彼女と待ち合わせとか?」

ギクッとして思わず身を隠す。

「関係ないだろ、明日海には」

「あは、相変わらずクールだな。彼女ってどんな子? ひと目拝んでみたいっ!」

「別に普通だよ。いいだろ、もう」

いつもは面倒くさそうにする咲が、勘弁してくれと言わんばかりの困ったような声で言う。

誰だろう。

友達かな?

「去年のクリスマスは楽しかったなぁ。今年も咲くんと過ごせると思ってたのに」

「なに言ってんだ。俺はそんなに暇じゃない」

「はいはい、わかってますよーだ。じゃあね! あ、また家にいくからっ!」

女の子が去ったあと、私はしばらく動けなかった。

さっきの会話からすると、明日海さんって人は咲の元カノ……?

去年のクリスマスは一緒にすごしたってことだよね。

それに、また家にいくって……。

そんなに深い関係なの?

心が黒いモヤモヤで覆われていく。

あんなに楽しみだったのに、うまく笑顔が作れない。