一生に一度の「好き」を、全部きみに。


なにを考えてるか全然わからない。

「あーあ、教室戻ろうっと。クソ真面目な私は予習でもしてまーす」

わざと嫌味っぽく言ってやった。

ちょっとは反省すればいいんだ。

「じゃあね」

こんなの、かわいくないよね。

大好きなのに恥ずかしくて素直になれない。もっと甘え上手だったらよかったのに……。

キリキリと胸が痛んで、とっさに手で左胸を押さえる。

うん、これはあれだ。もっとかわいく見られたいとか、そういう痛み。

だけどいつまで経っても胸の痛みは治まらなくて、階段の途中でしゃがみ込んだ。

大丈夫、少し休めばすぐに落ち着く。本当は階段も心臓に負担がかかるからダメだけど、屋上にいけなくなることの方が嫌だから。

病気の痛みになっちゃったら、もういけなくなる。早く治れ、私の心臓。これくらいなんともないんだから。

気合いで立ち上がり教室に戻った。

二学期に入ってから席替えをし、廊下側の一番うしろの席になった。ドアから近くて便利。私はすぐに机に伏せて目を閉じた。