一生に一度の「好き」を、全部きみに。


「ごめん、余計なこと聞いて。葵が幸せなら、あたしは葵の決めた答えを応援する」

「花菜……っ」

「でも……好きなんだよね?」

「うん……」

「あたしとしてはその気持ちを押し殺すようなことはしてほしくない、かな。それが葵の幸せだっていうなら、応援するけど。相当ツラいと思う……」

「うん……っ」

大丈夫、まだ引き返せるって、そう思ってた。だけど夏休みに入って会えなくなってみて、初めて気がついた。

咲に会いたいと思ってる私がいることに。

なにしてるのかなって考えたり、ふとしたときに気になったり。会えなくて寂しくて、あのときちゃんと話を聞けばよかったって……。

今さら思っても遅いのに、どうして後悔してからじゃないと気づけないんだろう。

「このままでいいっていう顔じゃないね。よし、今日はこの花菜様に任せなさいっ!」

未だに潤む瞳を細めて花菜は自分の胸を叩いた。

「任せなさいって?」

「葵のために今日は一肌脱ぐから」

目に涙をためたまま、花菜は得意気に笑った。