「私、心臓病なんだ」
「え?」
覚悟を決めてそう言った。
花菜はスッと笑みを消して真顔になる。
「今まで隠しててごめんね。だから体育見学したり、たまに学校休んだり。お昼に薬飲んでるのも、そのせいなの」
「そう、だったんだ……知らなかった。そんなにひどいの?」
「日常生活は普通に送れるけど、いつ発作が起きるかわからない状態だよ。だからいつも薬持ち歩いてる」
それにね、ひどくなると……私は。ダメ、今その先を考えちゃ。
花菜に余計な気を遣わせるだけだ。
笑わなきゃ。
「あたし……なにも、なにも知らなかった……っ」
花菜は目に涙を浮べて、歯を食いしばった。
泣かせたかったわけじゃないのに……。
「ごめんね……」
「謝らないで。ツラかったよね。あたしこそ、なにも知らなくてごめん……」
指先でそっと涙を拭う花菜。
優しくてとてもきれいな涙。
言おうと思えばいくらでも機会はあった。でもそうしなかった。
「もしかして、それで鳳くんに気持ちが言えないの?」
「…………」
花菜から視線を左側へそらす。



