照れを押し込めながら、私はそっと首元に両手を回した。密着している部分がかなり熱い。
「よし、じゃあいくぞ」
そう言い全速力で咲は駆け出した。お姫様抱っこされながら走るなんて初めての経験だ。
『これはすごいっ! なんと鳳くんは人を抱えたまま走っています! それもすごく速い、どんどん加速していく!』
咲の息遣いが耳に届く。衝撃を和らげようとしてくれているのか、私を抱える腕はとても優しくて、気遣ってくれているような気がした。
誰の声も耳に入ってこなくて、ただ咲の腕の感触と息遣いだけを感じていた。
『ゴール! 一位はなんと、一年生の鳳くんですっ! ハンデがあったにも関わらず、これはすごい! カッコいい! 俺なら惚れます!』
「それよりお題はー? かなり気になる!」
『そしてそして、二位は……!』
実況中継が続く中、咲はゆっくり私を地面へおろした。
「はぁはぁ……あっつ」
「大丈夫? 私、重かったでしょ?」
地面に転がる咲のそばに駆け寄った。腕で顔を覆いながら乱れた息を整える咲のそばにしゃがんで、顔を覗く。



