「実はいい報告があるんだ。」


 お互いの仕事が終わり帰宅し、夕飯を食べていると、泉は嬉しそうにそう言った。
 緋色は何だろうと「いい報告?」と彼に聞くと、隣に置いてあったバックから紙を取り出して緋色に渡した。



 「これは………教会?」

 

 そこには緑に囲まれた中に堂々と立つ真っ白な教会の写真があった。
 緋色は、その教会のパンフレットに見いってしまう。
 その様子を見て、泉は「そこ気に入った?」と嬉しそうに微笑んでいた。


 
 「うん。この壁一面にある大聖堂のステンドグラス………本当に綺麗。」
 「緋色ちゃん、気に入ると思った。よかったよ。」
 「このパンフレットどうしたの?」
 「知り合いから教えてもらったんだ。そして、少人数の挙式だけなら、空いている時間に入れてあげられるって言われてね。もし、緋色ちゃんが気に入ればここもいいかなって思ってい。」
 「素敵な教会だと思う………。」



 緋色はパンフレットを捲り、ますますこの教会が気になってしまった。自然に囲まれた丘の上にひっそりと建つ教会。施設にある木製の螺旋階段と吊るされたお洒落な照明。大聖堂には中世のヨーロッパの挙式の様子が描かれたステンドグラス。そこから光が差し込み、純白のドレスが色とりどりの光でより輝いて見られた。