「もうトレーニングに行かないと、朝御飯作っちゃうよ?」
 「………君のご飯は冷めてもおいしいから大丈夫だよ。」
 「もう………。私、先に食べちゃうよ?お洗濯もしたいし。」
 「…………ダメ………。」
 「じゃあ、起こして?」
 「今、起こしてるでしょ?」


 緋色は困った顔を浮かべながらも彼が甘えてくるのが何だかくすぐったくて思わず微笑んでしまう。


 「忘れてるでしょ?」
 「ん………恥ずかしいから………。」
 「やってくれなきゃ起きない。」


 緋色はベットに座って彼を起こそうとしていたけれど、泉の言葉を聞いて逃げようとした。けれど、泉を腕を伸ばして緋色の頭の後ろを掴んで逃げないように捕まえてしまったのだ。
本当に彼は眠たいのか、と思ってしまうけれど、ニコニコと緋色を待つ彼を見ていると、反論することも出来ない。


 「…………おはよう、泉くん。」


 小さな声でそういうと、緋色は彼の頬にキスをした。それが泉が求めていた事だった。