「泉くん?」
 「やっぱり少し騒がしいので出ようか。コーヒーはテイクアウト出来るみたいだから、それを貰って行こうかな。」
 「う、うん…………。」


 そういうと泉は緋色の手を引いてさっさと会計を済ませ、コーヒーを持ちながら店を出てしまう。
 緋色が周りの様子が気になっているのに気づいて対応してくれたのがわからないほど、緋色は鈍感ではなかった。


 「泉くん、ありがとう。」
 「いえ!僕もコーヒー飲みたかったので。」


 本当に紳士的な人だなと心の中で再度感謝をしながら、アイスコーヒーを受け取った。一口飲むとさっぱりとした中に甘さも感じられる。きっと、泉が甘めに注文してくれたのだろう。

 
 「帰り道の途中にショッピングモールがあるんだ。そこに寄るね。」
 「泉くんが好きなの見つかるといいんだけど。」
 「楽しみだなぁー。緋色ちゃんからのプレゼント。」


 眼鏡を買ってもらえるのが嬉しいのか、泉は繋いだ手をブンブンとふりながら歩き始める。そうやってはしゃぐ姿は少年のようで、やっぱり若いなと感じてしまうのだ。