そのため、緋色達が目を覚ましたのは真夜中を過ぎて明け方になになってからだった。緋色は体に気だるさを感じたが、それは彼に愛された証拠だと思うとそれさても、幸せに感じた。


 「緋色………ちゃん?」
 「ん…………泉くん、おはよう」


 ニッコリと微笑んで泉に返事をすると、心配そうに顔を覗き込んでいた表情が安心したものへと変わった。


 「大丈夫だよ。全部、覚えてるから」
 「あ………そうだよね。ごめん、不安になって」


 自分の気持ちがバレてしまっていたのに驚いたのか、泉は恥ずかしそうな苦笑した。

 「ねぇ、泉くん。今度、施設に行ってみたいな。2人で、里帰りしてみよう?」
 「うん………帰ろう。2人で幸せになった事、報告しよう」
 「楽しみだね」


 緋色は泉の体に抱きつく。甘い甘い香りがする。

 この香りは以前緋色が使っていたものだと泉に教えて貰った。
 彼が自分を思い香水を纏っていたと思うも、気恥ずかしい気持ちになるが、やはり嬉しかった。

 今日も2人は同じ指輪をして、同じ香りを纏い、同じベットで目を覚ます。





 それは嘘偽りのない毎日の始まりだった。