緋色は頬を染めながら、恥ずかしそうに泉を見上げる。それだけで、泉の胸はドキッと高まった。


 「泉さんとお話しするようになって、毎日楽しみになりました。本の話しをする事を今までほとんどなかったし、あなたはとても優しくしてくれる。けれど、その………今まで付き合ったこともなかったので自分に自信がなくて。断ってしまってました。………けど、泉さんから連絡が来なくなって、後悔したんです。………もっと会いたかったなって。それで気づいたんです。………私はあなたが気になっている、と」


 緋色は、照れ笑いを浮かべながら、ゆっくりと言葉を紡ぎ、泉を見つめた。
 泉は、唖然としてしまっていた。
 今まで叶う恋だと思っていなかった。年下の自分が彼女に認められるなど思っていなかったのだ。
 そして、そんな風に思ってもらっているのも気づかなかった。


 「じゃ、じゃあ………俺の恋人になって貰えるんですか?」
 「………はい。よろしくお願いいたします」


 恐る恐る聞いた言葉に、緋色は小さく頭下げて答えてくれる。